森琴石は、奈良や紀伊にもゆかりが深い。和歌山の画家「野呂介石」のスケッチ帖を、琴石が全摸写した「綴じ帖」が森家に存在する。「月ヶ瀬」との関係については先にご紹介したが 注1、銅版による「奈良名所独案内 全 注2」を作成し、当ホームページ「平成11年度の展覧会情報」に名が出る「岩本氏」は、父が紀州出身で、森家実曾祖母「ゑい 注3」の甥といわれている。森琴石の日誌には、奈良の「御所 ごせ」に親しく交流する人物の記述がある。森琴石の長女「昇 しょう」は、伊勢の堀木氏に嫁ぎ、孫の「加津」は奈良の西藤氏に嫁した。伊勢・松阪からは、かつて森琴石の作品が、しばしば骨董商の店先に並んでいたという情報が寄せられている。
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