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朶雲相達忝奉拝誦候 |
去月眞美会展覧会 |
御開催御盛隆慶賀候 |
拙画出品仕候処御叮嚀ニ |
小包ヲ以御返却御郵送被成下 |
猶名誉賞状御贈与相成候 |
段難有奉拝受別帋御 |
請書差出候間宜敷御執計 |
奉願上候御厚意萬々 |
奉謝上候且貴会ニ費之 |
為メ拙画揮毫差出し候、宜 |
敷候ハバ早速揮写可仕候付 |
何卒御腹蔵ナク可被仰 |
聞候。此段御伺奉申上候 |
猶貴命之帋本小切画ハ |
早々揮毫差送リ可申候先ハ |
右之段奉申上度迄如此御座候 |
敬具 |
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五月十八日 森琴石 |
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岡 不崩先生 虎皮下 |
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朶雲(だうん)相達し、忝なく拝誦奉り候。 |
去月、眞美会展覧会 |
御開催、御盛隆慶賀に候。 |
拙画出品仕り候処、御叮嚀に、
(注:謙遜のため一字下げている) |
小包を以て、御返却、御郵送成し下され、 |
猶、名誉賞状御贈与相成され候 |
段、有り難く拝受奉り、別帋(紙)、御 |
請書差出し候間、宜敷く御執計(とりはからい) |
願い上げ奉り候御厚意、萬々 |
謝し上げ奉り候。且し、貴会に費(ついえ)の |
為、拙画、揮毫差出し候。宜 |
敷く候わば、早速、揮写仕る可く候に付き |
何卒、御腹蔵なく仰せ |
聞きかさる可く候。この段御伺い申し上げ奉り候。 |
猶、貴命の帋(紙)本小切画は |
早々、揮毫差し送り申す可く候。先(まず)は |
右の段、申し上げ奉り度き迄、如此(かくのごとく)
に御座候。 |
敬具 |
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五月十八日 森琴石 |
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岡 不崩先生 虎皮下 |
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