これまでに収集した資料による森琴石の門弟の紹介、
および森琴石に画を習ったとされる門人名を出身地別に紹介します。
(注:一部の門人名や画号の読み方に間違いがある場合もあります)
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縦 33.4 x 横 23,3cm |
B&Cの画像 | ||
B 「藤・小禽図」部分 南田大意/右端に ”双幅 辛丑夏日・山名友石謹募” |
C 「菊花小禽図」 「成子氏煎茶会図録学稿」のうち 左枠外下方に”明治33年夏日謹募・山名友石” |
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下方の画像は省きます |
(一)
明治3年6月19日−昭和25年9月1日
近藤翠石
(明治三年生) 讃岐丸亀に生れ、九才藤田台石に就て南宋画を学び、十七漫遊の途に上り、大阪に出て森琴石の門を叩き、従学六年一旦郷里に還り、さらに四国九州を始め、各地を遊歴し、後東京に出て文部省検定に合格して中等教育図画教員の資格を受け、豊岡、堺、桃山各中学校の教授となり、後職を辞し、大阪天王寺筆ケ崎に閑居して、専ら彩筆に親み傍らを吟哦を好み、詩画相待を南宋の正派を発揮せんことを勉む。住所 大阪市天王寺細工町五四九十
「姿態横生」(明治44年7月、日本中央南宗画会刊 *栃木県真岡市渡辺淑寛氏よりご寄贈頂く)
(二)
近藤翠石先生
先生は香川縣の人名は赤彦翠石と號す 別に甘谷の號あり 其堂に名くるに萬象を以てす 明治三年六月十九日を以て丸亀市に生る 父を近藤泥といふ京極高明に仕へて槍術に達し傍ら國學に通ぜり 矩今九年前逝く 姓は藤原氏家世近江國の國士たりしが元禄年間京極家に仕へ後丸亀に移り姓を改めて近藤と稱し同家に仕へしものなりと、母小野氏是亦客歳歿す、先生幼より繪事を好み年九歳にして藤田台石に就き畫法を學び傍ら漢籍を中村三樵、吉山擴斎等に聽く
明治十四年内國勧業博覧會開設に際し養老瀑布圖を出品して愛媛懸より奨励状を受く 此時年僅に十二歳 同廾年筆を載せて東豫に遊び轉じて大阪に出で南畫家の老手森琴石の門に入り其道を研究すること六箇年其技一躍群を抜く 同廾三年浪華畫會畫學校開設さるゝや同人庭山耕園と共に助手を勤む時に年廾三歳 同廾五年郷に帰り翌年四國九州を歴遊して到る處江山の助を得同、廾七年濃尾の勝を探りて東京に出文部省圖畫科中等教員免許状を受く 先づ豊岡中学に赴任し後轉じて堺、桃山中學等に奉職すると前後八箇年
明治四十年職を辞して其家に在り畫を請ふ者日に多し、各種の博覧會、共進會、展覧會等に出品して入選の光榮を得たり 之より先明治四十一年名古屋物産共進會繪畫部審査員、同年帝國南宗畫會常任幹事に 大正四年大同會評議員、大典記念博覧會監査員等に選ばる其描く所肅楚雅致に富み又詩文を善くす 故木蘇岐山に私淑する所多し 山口縣萩藩士立野氏の二女なを子を娶り長男侃太郎、二男健二郎、長女安子、三男亀三郎を挙ぐ
(南區天王寺細工谷町五千四百九十番地)
注:住所後の詩文は省略した・句読点は原文通りとし、字間行間を空けた
「続浪華摘英」(発行兼編纂三島聴恵・大正5年12月)より
資料ご提供者=大塚融氏(数奇者研究家・経営史研究家・神戸大学文学部講師)
「近藤翠石」 副題:「浪華畫壇―南宗派長老 近藤翠石」 |
横山大観
下方:− 翠石翁が欧米画遊より帰朝の際、横山大観氏※より翁に寄せられたる書策 − とあり
※横山大観=「舩田舩岳」とは同期(森琴石門下・東京美術学校第一期生)で、舩田舩岳は、大観がまだ名をなさない頃の作品を多数購入し、資金援助をしていたと伝えられている。舩田舩岳は早世したが、舩岳歿後諸事情により、大観はもとより森琴石の作品も全て他人に渡ってしまった。
王一亭
下方:− 上海の王一亭氏より翠石翁に寄せられた詩書(但翁が欧米行の帰途) − とあり
◆「近藤翠石」(藤井秀五郎※著発行・美術日報社・昭和15年12月・非売品)は、近藤成一氏(東大阪市・近藤翠石孫)よりご寄贈頂きました。
※藤井秀五郎=藤井石童、著書に「日本餘技大觀及今古名蹟奥付」・「昭和美術百家選」など
(四)著書など
●「支那名勝画冊」(近藤翠石著・1918年)
●「森琴石先生薦事図録」(近藤翠石著編・大正14年・非売品)
●「森琴石翁遺墨帖 乾坤」(森琴石著・近藤翠石編・佐野岱石、西尾雪江補助・昭和2年・非売品)
●「欧米旅行よしあし草」(近藤翠石著・大阪野坂印刷所・1931年)
●「森琴石先生印存」(大正10年5月)
(五)当ホームページでの近藤翠石掲載箇所
近藤翠石の写真=「平成18年6月【1】注1」
近藤翠石のエピソード=「平成21年6月【2】」
「森琴石紹介:文献抜粋(二) 森琴石先生小傳」・「平成15年7月■1番目◆田艇吉」・「平成16年10月」・「平成18年6月 【1】」・「平成18年8月【1】」・「舩田舩岳日誌」・「清国人の書簡」=清国文人から森琴石宛書簡の一部が、森琴石歿後、近藤翠石に託され保管されていた。
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