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明治13年刊、森琴石著・銅版による「南画独学 揮毫自在 注1」が、アメリカ合衆国のオハイオ州にある「Oberlin Collection オベリン大学 注2」の図書館、「Mary Ainsworth Collection of Japanese Artist Books 」に所蔵されている 注3 。
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南画の入門書である同著書は、「墨香画譜」・「題画詩集」と共に、森琴石の代表著書として、森琴石を紹介する文献には必ず記載があるものの一つである。
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「南画独学 揮毫自在」はじめ上記三著書は、清時代の中国でも発売され、岸田吟香の「楽善堂書目 注4」の書目リストにも存在する。同リストには上記以外の響泉堂刻による「書誌」が存在する。
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これまでの調査で、森琴石と岸田吟香との繋がりが判明している。岸田吟香は、江戸末期に大坂の儒学者「藤澤東畡」の門生として学んだ時期があり 注5、森琴石の日誌には「楽善堂」の記述が見られる。
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神戸市立博物館の「南蛮美術コレクション」は、池長孟氏 注6 が収集した美術品を「南蛮美術館」に寄贈した収蔵品で、「旧池長コレクション」と名づけられている。収蔵品のリストや作品の解説をまとめた、池長孟編「南蛮美術総目録 注7」によれば、岸田吟香出版の「吟香閣叢画」の作者は、「作者不詳(森琴石?)」と書かれ、「森琴石」と「岸田吟香」との関連をほのめかす記述がされている。
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「東京日々新聞」で、「岸田吟香」と同僚の「福地桜痴(源一郎)」は、森家祖母の実家、佐賀藩入江家とも繋がる「馬渡俊猷」の師匠でもある。森琴石周辺には、日本の新聞創生期に携った人物の存在がある 注8。
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「楽善堂書目」及び「岸田吟香」との関係についてなど、今後研究者により「森琴石画集」、その他で触れられる予定です。
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森琴石編著、木版画集「墨香画譜」は、平成12年、中国斉南市「山東美術出版社」より、「中国古画譜集成・第22巻」で、廉泉纂「扇面 大観」・張兆祥画「文美斎詩箋譜(百花詩箋譜)」と共に合本で、復刻出版されている。同書は「北京図書館」にも収蔵されている。 注9。
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