森琴石(もりきんせき)1843~1921
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森琴石 調査情報

平成10年10月~現在まで、森家での調査などをご紹介します

■調査情報 平成21年(11月)

  今月の話題

【1】 舩田舩岳の毛筆図画教科書
平川冬嶺と合著/兵庫県立教育大学教育文化資料館蔵

【2】 響泉堂刻書誌紹介
「植学啓蒙」
松本駒次郎抄訳/文栄堂/明治13年刊


お詫びとお願い

外付けハードディスクの損壊とデータ損失について

以前よりわずかな異変を感じてはいましたが、外付けハードディスクにさえ保存しておけば大丈夫という、間違った概念を持っていたため、その重大さを見過ごしていました。11月始め、外付けハードディスクが損壊するという事態に見舞われました。他の媒体にデータ保存をしていなかった為、2003年8月以降の、森家が入力した、膨大な文字データ及び画像、メールなど殆どを失いました。当HPに関しては、たまたま他の媒体に保存していた”調査情報”は一部を除き健在でした。

損失データの中には、HPの為に準備した、未公開の項目原稿も多く、HP内に添付する資料画像など、その都度探して撮り直さなければなりません。ただ今、心理的打撃も大きく、その為HPの公開にも支障を来しています。

2003年8月以降、森家にメールで資料を送信頂きました一部の皆様方には、再度資料のご提供をお願いするやも知れません。大変ご迷惑をおかけしますが、このような事態になりました事のお詫びを申し上げますと共に、今後更なるご指導及びご協力を賜りますようお願い申し上げます。

【1】
■

門下「舩田舩岳」は、東京美術学校第一期生という肩書を持ちながら、病弱で早世した事もあり、彼の画活動を知る資料が少ない。

舩田舩岳は自身が病弱である故、安定した地位や収入がある教職者としての道を選んだようだ。学期間にある長期の休暇には、特別な画活動が出来たであろう。


■

当ホームページでは「門人:舩田舩岳」や、「日本美術協会大阪支会(技芸員)」、「大阪府立北野高等学校100年史」・「舩田舩岳の日誌」などで、僅かではあるがその足跡をご紹介してきた。東京美術学校出の優秀な教師として、舩田舩岳は大阪では異色の存在であったと推測する。


■

兵庫県加東市に所在する兵庫教育大学の”兵庫教育大学教材文化資料館”では、現在開館記念展 「学校教育をめぐる教材と文化 : 歴史と現在」と称して、明治初期~戦後の激動期にいたる時期の貴重な教科書、その他が展示開催されている。

その中に、舩田舩岳が、北野中学校の図画の教師として在任中に著した「中等教育毛筆画帖 巻ノ四(出品リスト第87番目)」1点が展示されている。同資料館には、展示中の1点の他、刊行年が違う同名の教科書が2点所蔵されている。


■

11月初旬、同館を訪問し、展示教科書以外の2点の教科書を閲覧させて頂きました。

実物からは、次のような事が分かりました。

1:平川冬嶺との合著である事
1:発行年月が、3冊とも違っている事、明治30年度には、改定・再版されていた事
1:改定版は彩色画が増えた事
1:教材として優れているのみでなく、画譜としても鑑賞出来る教科書ともいえます(私見)



■

平川冬嶺は、熊本県出身の画家という以外の詳細は不明。当時、大阪府の教員として雇用されていたと思われる。

■

兵庫教育大学教育文化資料館所蔵の「中等教育毛筆画帖」の概要を下記にご紹介します。

■

同資料館によれば、毛筆で描かれた教科書は非常に珍しいとの事でした。同資料館では、上記教材の他、戦時中の学生が描いた水彩画、ドイツの教育者フルーベルの恩物や、現在の学校現場での実践教材の開発コンセプトを紹介するなど、学校教材や教育実践研究に対する視野と地平を拡げる企画となっています。会期は平成21年10月1日~22年3月30日までです。
↓
開館期間、休刊日などの利用案内=http://www.lib.hyogo-u.ac.jp/museum/riyo-annai.html


   
 

「中等教育毛筆画帖」(兵庫県立教材文化資料館所蔵分)概要

 

【A】中等教育毛筆画帖(教科書)

船田虎蔵 平川松喜合著 /1997(明治29)年12月25日/ 辻本朔次郎・松村九兵衛/1冊/ 21x28cm
巻五、六

内容

表紙
明治三十年三月二日 文部省検定済尋常中学校図画科教科書
中等教育 毛筆画帖

1頁   凡例

人物衣紋ノ描法古来定式アリト雖モ只能ク物二應
シテ形ヲ寫シ性二依リテ筆ヲ使ヒ雅趣ヲ胸裡ニ蔵
シ妙想ヲ形外ニ求ムヘシ所謂伝神ハ阿堵ノ中ニアリト
言ヘルカ如ク面想點晴特ニ心スヘキコトナリ本巻第六
図ノ鬼ト第五図第七図文殊曾賢トハ描法自ラ異ナル
所アルヲ示シ第十二図布袋ハ減筆ノ法ヲ示セリ殊ニ
山水中人物ノ如キハ自ラ抜俗脱塵ノ風ヲ供ヘ人ヲシテ
一見嗟賞ノ趣アラシムヘシ
著者識

2頁以降
第一図 彫刻狛犬 墨
第二図 薔薇 雀 墨
第三図 猿 墨
第四図 秋景 墨
第五図 文殊 墨
第六図 鬼 墨
第七図 普賢 墨
第八図 農家 墨
第九図 人物(女性三人) 色彩 赤紫水色 墨
第十図 鹿図(二頭)  
第十一図  漁舟  
第十二図  布袋  
第十三図  寒江  
第十四図  兜、太刀  
第十五図  観瀑  

奥附
明治二十九年十二月二十日印刷
仝年      十二月二十日発行
五ノ巻 定価 金拾八銭
六ノ巻 定価 金拾八銭
七ノ巻 定価 金拾八銭
著者 船田虎蔵
  同 平川松喜
発行者 大和國添上郡奈良町大字樽井六番屋敷
辻本朔太郎
発行蒹印刷者 大阪市南区心斎橋筋一丁目六十七番地屋敷
松村九兵衛
   
 

【B】中等教育毛筆画帖(教科書)

船田虎蔵 平川松喜合著 /1997(明治30)年2月2日/ 松村九兵衛/ 1冊/21x28cm
巻四-訂正再版

内容

表紙
明治三十二年十一月三十日 文部省検定済中学校教科書
船田船岳 平川冬嶺合著
中等教育 毛筆画帖
文海堂梓

1頁  凡例

一、 本編ハ中学校師範学校及高等女学校等ニ於ケル図画科ノ臨本ニ供センカ為ニ編纂セシモノナリ
一、 本編ハ六巻ヨリ成リ毎学年二冊ヲ課スルノ目的ナリ 然レトモ実地教授ノ都合ニヨリ増減スルハ教師ノ見込ニ任ス
一、 本編初メ物体ヲ形成スル骨法即チ簡単ナル線画を課シ漸次複雑ナル技術ニ移リ濃淡■染没骨及彩色画等ヲ交ヘタリ 又白描ノ画題を加ヘテ以テ生徒各自ヲシテ濃淡彩色ヲ応用スルノ料トナス

2頁以降
第一図 鷹 墨
第二図 文殊 淡彩(青・肌色)・着衣
第三図 猿 墨・淡彩(顔、足肌色)
第四図 山水図(雨) 墨
第五図 鶉(うずら)図 淡彩(肌色・茶色)
第六図 釣図 淡彩(肌色・茶色)
第七図 鹿図 墨
第八図 人物(公家?) 淡彩(黄色)
第九図 山水図 墨
第十図 茶摘図 淡彩(緑色・茶色)
第十一図  秋景図 墨
第十二図  佐野渡 墨
奥附
(巻一、四) 明治三十二年三月十五日改定 第三版印刷
  同   年三月二十二日改定 第三版発行
(巻二、三、五、六) 明治三十二年三月十五日改定 第二版印刷
  同   年三月二十二日改定 第二版発行
 
版権所有
著者   船田虎蔵
同    平川松喜
発行蒹印刷者 大阪市南区心斎橋筋一丁目六十七番地屋敷
  松村九兵衛
売捌所 大阪市東区南本町四丁目五十番地屋敷
  森本専助
同 東京市京橋区南伝馬町一丁目十二番地
  吉川半七

定価  巻一 金拾四銭  巻二 金拾六銭  巻三四五六 金拾八銭

   
 

【C】中等教育毛筆画帖(教科書)

船田船岳 平川冬嶺合著/松村九兵衛/明治32年(1899)3月/一 冊/21×28㎝.

巻六・改定第二版


・・・・・・・・・・・展示中の為、書誌の詳細内容は不明・・・・・・・・・・・


   
   
【2】
 

響泉堂刻書誌紹介

『植学啓蒙 しょくがくけいもう 上中下』

著者  :グレイ(クレイ・米国人)
訳者  :松本駒次郎
出版  :明治13年4月刊行
出版人 :大阪 文栄堂
扉下  :響泉堂刻



 

★松本駒次郎=科学者、博物学者・小石川植物園日誌に名  ⇒ 明治14年(3月、10月)

★著書・訳書=「格物地誌.」(ワレン他,明9)・「健全論 」(文栄堂.明12.11)・「動物小学」(松本栄三郎,錦森閣, 明14.8)・「植物小学字解」(錦森閣, 明15.8)・「動物小学字解 」(錦森閣, 明15.8)・「理化入門」( ホウッカル他, 明20.10)・「鉱物学教科書」(コリンス他,嵩山堂, 明23.12)・「蒸気機関篇」(松本駒次郎,松本栄三郎. 嵩山堂, 明23.6)他・・・・・・・・国立国会図書館蔵書検索による


★当HPでの関連事項  
⇒「平成19年1月【1】」・響泉堂刻教材(掛図)・小石川植物園日誌に名(★1番目参照)
↓
加藤竹斎・服部雪斎・田中芳男・伊藤圭介・久保弘道

★主な所蔵館=尾鷲市立中央公民館・中村山土井家文庫(近代書誌データベースより)
岡山県立記録資料館(本館)

画像公開=国立国会図書館、近代デジタルライブラリ― ⇒、近代デジタルライブラリ― 
 (該当箇所”扉下”の画像は著しく不鮮明)
長野電波技術研究所 附属図書館:4植物1880刊◆2【植学啓蒙】1上



★後月資料が入手出来次第 扉下(響泉堂刻とある部分)画像を公開致します


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