『森琴石作品集』
”版元ドットコム”での紹介文
”東方出版”での紹介文
★『森琴石作品集』の出版社「東方出版」が ”版元ドットコム”用に作成したものに一部付け足して転載させて頂きました。
紹介
江戸末期から明治を代表する文人画家の一人であり、細密な銅版画を残す「響泉堂」として活動した森琴石(もり・きんせき、 1843〜1921)の、多彩かつ幽遠な画業を網羅した作品集。兵庫・有馬に生まれた琴石は大坂南画界の異才鼎金城の門に入り、
師没後は忍頂寺静村に師事。また漢詩文を学び、東京に出て洋画にも接する。一方で当時日本に滞在していた清人南画家たちと交流し、新しい時代の表現を追求した。
文展審査員を務め、帝室技藝院にも任ぜられた。銅版画/文人画・書/下絵・画稿など作品433点を収録。論文6本(図版87点)、巻末に年表・作品目録を付す。
- 目次
- Ⅰ 銅版画…カラ―62頁/全281図
- Ⅱ 文人画・書…カラ―44頁/全57図
- Ⅲ 下絵・画稿・画譜…カラ―30頁/全80図
論文 |
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銅版画師 響泉堂をめぐって |
…熊田 司(24頁/図版39点) |
近代大阪の南画家 森琴石―その生涯と作品 |
…橋爪節也(14頁) |
森琴石と西洋画 |
…高瀬晴之(3頁/図版4点) |
地方文化と森琴石 |
…槙村洋介(10頁) |
琴石と妻鹿友樵 |
…妻鹿友弘(2頁・図版5点) |
森家所蔵写真についての考察 |
…岡塚章子(6頁・図版5点) |
資料 |
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雲来詩抄『学海画夢』抄 読み下し・解説 |
…多治比郁夫(8頁) |
印譜 翻字 |
…成澤勝嗣(4頁) |
響泉堂所鐫銅版書目 |
…熊田司 編(8頁) |
年表(13頁) |
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作品目録(9頁) |
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※論文以下はモノクロ・文中の(頁)は使用頁枚数をさす
著者プロフィール
熊田 司(クマダ ツカサ)
1949年神戸市生まれ。'77年関西学院大学大学院文学研究科博士課程(美学専攻)終了。財団法人香雪美術館、財団法人西宮市大谷記念美術館を経て、'88年大阪市立近代美術館建設準備室に転じ、2001年から09年3月まで研究主幹を務めた。
この間、「生誕90年小出楢重展」(1977年)、「日本近代銅版画展」(1982年)、「生誕100年記念佐伯祐三展」(1998年)、「生誕100年記念吉原治良展」など、多くの近・現代美術の展覧会を企画実施。専門は近代美術史。主に日本近代絵画・版画についての研究を、著書、論文等で発表している。
著書に『小出楢重画集』『森琴石と歩く大阪』(共著、ともに東方出版)などがある。
橋爪 節也(ハシヅメ セツヤ)
1958年大阪市南区(現在の中央区島之内)生まれ。専攻は日本美術史。東京藝術大学美術学部助手、大阪市立近代美術館建設準備室を経て、2008年から大阪大学総合学術博物館教授(大学院文学研究科兼任)。
木村蒹葭堂や北野恒富、佐伯祐三などの展覧会に関係し、「没後200年記念木村蒹葭堂―なにわ 知の巨人」(大阪歴史博物館編、思文閣出版)の企画・編集に参加。
著書に『モダン心斎橋コレクション―メトロポリスの時代と記憶』(国書刊行会)、『大大阪イメージ―増殖するマンモス/モダン都市の幻想』(編著、創元社)、『映画「大大阪」観光の世界』(大阪大学出版会)などがある。
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