森琴石(もりきんせき)1843~1921
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森琴石 調査情報

平成10年10月~現在まで、森家での調査などをご紹介します

■調査情報 平成22年(12月)

  今月の話題

●『森琴石作品集』は全国の主要書店でお求めになれます
●『森琴石作品集』  概要紹介


先月度でも少しご紹介しましたが、この度、12年来の念願だった『森琴石作品集』が完成致しました。



平成10年9月、神戸市立博物館で開催された「有馬の名宝 蘇生と遊行の文化」展で、有馬出身の画家として、山下摩起と森琴石の作品が特別コーナーで展示されました。森琴石の銅版画類の精緻な作品に触れたのがきっかけで、余り知られていない「森琴石」の作品や事績をまとめ、1冊の本にまとめて子孫に残したい・・・との思いで刊行を思い立ちました。



以来、多くの方々のご協力を得、森琴石の足跡や業績、作品類を探す事が出来ました。森琴石の生涯を完全にたどる事は出来ませんでしたが、一部のジャンルを除く”森琴石の作品”や、”森琴石の生涯、人物像”が凡そ掴めるまでに至りました。



当初の予定では記念誌的な刊行物を考えていましたが、森琴石やその周辺の資料が増え、実態が明らかになるに連れ、子孫の為に残すものでは無く、もう少し正式なものを作りたいと思うようになりました。そして12年の歳月を得、やっと納得出来るものが出来上がりました。

先日完成した『森琴石作品集』が届きました。皆様方にその概要をご紹介したいと思います。




 

『森琴石作品集』―概要紹介



 

全252頁中、半数以上が、銅版画や南画(文人画)下絵・画稿類などの図版で占められ、カラー印刷の仕上がりが美しいです。書物の厚さが3,5cm、重さ1キロもあるどっしりとした、かなり重厚なものです。


 

表紙

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裏表紙

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※周囲の黒い枠線は、書籍の形を分かりやくすするようにつけたものです



 

案内用パンフレット

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  『森琴石作品集』
版元ドットコム”での紹介文  ”東方出版”での紹介文



★『森琴石作品集』の出版社「東方出版」が ”版元ドットコム”用に作成したものに一部付け足して転載させて頂きました。



紹介

江戸末期から明治を代表する文人画家の一人であり、細密な銅版画を残す「響泉堂」として活動した森琴石(もり・きんせき、 1843〜1921)の、多彩かつ幽遠な画業を網羅した作品集。兵庫・有馬に生まれた琴石は大坂南画界の異才鼎金城の門に入り、 師没後は忍頂寺静村に師事。また漢詩文を学び、東京に出て洋画にも接する。一方で当時日本に滞在していた清人南画家たちと交流し、新しい時代の表現を追求した。
文展審査員を務め、帝室技藝院にも任ぜられた。銅版画/文人画・書/下絵・画稿など作品433点を収録。論文6本(図版87点)、巻末に年表・作品目録を付す。
目次
Ⅰ 銅版画…カラ―62頁/全281図
Ⅱ 文人画・書…カラ―44頁/全57図
Ⅲ 下絵・画稿・画譜…カラ―30頁/全80図
論文
 銅版画師 響泉堂をめぐって …熊田 司(24頁/図版39点)
 近代大阪の南画家 森琴石―その生涯と作品 …橋爪節也(14頁)
 森琴石と西洋画 …高瀬晴之(3頁/図版4点)
 地方文化と森琴石 …槙村洋介(10頁)
 琴石と妻鹿友樵 …妻鹿友弘(2頁・図版5点)
 森家所蔵写真についての考察 …岡塚章子(6頁・図版5点)
資料
 雲来詩抄『学海画夢』抄 読み下し・解説 …多治比郁夫(8頁)
 印譜 翻字 …成澤勝嗣(4頁)
 響泉堂所鐫銅版書目 …熊田司 編(8頁)
 年表(13頁)
 作品目録(9頁)

※論文以下はモノクロ・文中の(頁)は使用頁枚数をさす


著者プロフィール


熊田 司(クマダ ツカサ)


1949年神戸市生まれ。'77年関西学院大学大学院文学研究科博士課程(美学専攻)終了。財団法人香雪美術館、財団法人西宮市大谷記念美術館を経て、'88年大阪市立近代美術館建設準備室に転じ、2001年から09年3月まで研究主幹を務めた。

この間、「生誕90年小出楢重展」(1977年)、「日本近代銅版画展」(1982年)、「生誕100年記念佐伯祐三展」(1998年)、「生誕100年記念吉原治良展」など、多くの近・現代美術の展覧会を企画実施。専門は近代美術史。主に日本近代絵画・版画についての研究を、著書、論文等で発表している。

著書に『小出楢重画集』『森琴石と歩く大阪』(共著、ともに東方出版)などがある。


橋爪 節也(ハシヅメ セツヤ)


1958年大阪市南区(現在の中央区島之内)生まれ。専攻は日本美術史。東京藝術大学美術学部助手、大阪市立近代美術館建設準備室を経て、2008年から大阪大学総合学術博物館教授(大学院文学研究科兼任)。

木村蒹葭堂や北野恒富、佐伯祐三などの展覧会に関係し、「没後200年記念木村蒹葭堂―なにわ 知の巨人」(大阪歴史博物館編、思文閣出版)の企画・編集に参加。

著書に『モダン心斎橋コレクション―メトロポリスの時代と記憶』(国書刊行会)、『大大阪イメージ―増殖するマンモス/モダン都市の幻想』(編著、創元社)、『映画「大大阪」観光の世界』(大阪大学出版会)などがある。





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