森琴石(もりきんせき)1843〜1921

森琴石 調査情報

平成10年10月〜現在まで、森家での調査などをご紹介します

■調査情報 平成21年(8月)

  今月の話題

【1】 森琴石の画稿紹介
名家画帖/墨香画譜(巻一)の画稿/墨香画譜人物編(未刊)


【1】

明治12年10月〜明治13年11月にかけて森琴石は「題画詩集」・「墨香画譜」・「南画独学揮毫自在」の自著、「名家画帖」の編纂、「書画題跋:落款自在」・「新選書家自在 : 題画彙宝」への挿画及び出版など、立て続けに画譜類の出版に携わった。

その内「題画詩集」・「南画独学揮毫自在」・「墨香画譜」・「名家画帖」には、僅かではあるが画稿が残っている。残された画稿からは、新たな事実が浮かびあがる。それらを下記に記述します。

その1

「名家画帖 注1」は、はじめは「墨香画譜」と名付け、大阪・京都・中国の書画家の作品で構成するつもりだったが、途中で当初の方針を変えたようだ。

「名家画帖」の完成品は39図あるが、画稿は30図しか無い。題字揮毫者、鐵崖(富岡鉄斎)ら一部の画家、中国書画家の作品は別に設(しつらえ)られたようだ。それらの画稿は現存しない。

「名家画帖」の揮毫者は、森琴石の交流関係を如実に知る資料でもある。揮毫者の面々は、森琴石の親交者と見られ、極少数を除いてはそれぞれの晩年まで友情が続いたと思われる。揮毫者が特定出来ない者には、森琴石との交流関係者として、未知の重要な人物が含まれている可能性がある。最後尾に、それら「名家画帖」への揮毫者名をご紹介します。
その2

「墨香画譜」の画稿には、「第一号」と名付けられた山水画の画稿が残る。

墨香画譜は<巻1 山水>・<巻2 蘭竹梅など>・<巻3 花卉盆栽鳥虫類>・<巻4 果菜茶器類など>の4冊揃いのもの。「第一号」と書かれたものは、この段階ではまだ正式な名称が決まっていなかったようだ。
その3

「壬午初春 墨香画譜第貮集 讀畫廬」と名付けられ、朱筆で訂正された人物の画稿12枚がある。明治15年正月に描かれたものである。明治13年に出版された4冊揃いの「墨香画譜」の「人物編」として計画されたものであろうか?
因みに、森琴石の人物のみの画譜類は、これまでの調査では現出していない。
人物画の後の余白頁には、山水図が描かれている。

下記にそれら「名家画帖」、「墨香画譜」、「墨香画譜第弐集」」の画稿の一部をご紹介します。

 
 

「名家画帖」の画稿 (以下、デジカメ画像と、モノクロコピー紙からの画像を併用)

★名家画帖の画稿は、1枚の紙の裏表に画が貼り付けられている。画稿には賛落款は無い。印部分は押印の他、描き印、また印鑑部分が小さな紙に貼り付けられているものもある。

★画稿には名前が書かれていないのが多いが、刊行本から読み取った。しかし既刊書からも印や落款が読み取れない書画者が7,8名いる。

★当HP内「名家画帖」記述か所=「平成19年4月【1】注2 U」・「平成16年10月■3番目」・「平成15年7月」など

表紙(縦25cmx横33cm)

墨香画譜表紙

鼎金城門下(森琴石兄弟子)

右図 行徳玉江=上部中心部に、印鑑のみの紙小さく貼り付けてある

左図 堀井頑仙=刊行本では右側に「摸沈石田 頑仙指頭画」 とあり

裏面の”行徳玉江”の画が映っている  裏面の”頑仙”の猫の画が映っている


京都府画学校(開校時)出仕者

田能村直入(校長)=刊行本の作品は右部分に落款あり

右:久保田米僊(刊行本は、上右端欠けた部分に落款あり)
左:松本酔雲=「平成18年10月【1】注1・3」、京都府画学校(開校時)出仕者 及び 南宗画学教則の連印者に名あり

右下に「酔雲 二枚」とある、重ねる版の数を指すか?
   
 

「第一号(墨香画譜 巻一)」の画稿

表紙(縦16.5cmx横23.5cm)

西尾雪江画

第一号画稿:3枚目   墨香画譜巻一:6頁
     
第一号画稿:14枚目   巻一:14頁
   
 

「墨香画譜第弐集」の画稿


表紙(縦34.5cmx横24.5cm)



「街頭戯曲」(紙本・淡彩・1尺角・年不明)
 =「森琴石翁遺墨帖 乾」より


余白の頁に描かれた山水図

このような図が3頁分あり

   

注1

名家画帖

(森琴石編//吉岡平助・吉住音吉/明治13年3月 =大阪府立中之島図書館蔵)


  書画揮毫者 落款、印など
     
題字 山中信天翁 庚辰三月題
題字 寺西易堂 易堂山人題
題字 谷鉄臣 如易山人  印=谷鐵臣■
1 王冶梅 庚辰初春王冶梅寫杜■陵詩■於摂州客次
2 黄一き 光緒庚辰春正月画於日本神港客舎 黄一き  (き=17画。1本足の怪物の意)
3 魚住荊石 松溪深■八十一翁荊石            亡くなる直前の作品
4 江馬天江  
5 中西耕石 庚辰春日 耕翁寫
6 寺西易堂 易堂■画
7 世良八び 庚辰二月作浪華■■ 八び(さんずい+眉)頑夫■■
8 村田香谷 香谷
9 森 琴石 庚辰初夏寫於聴香讀画楼 琴石  印=吉夢
10 田能村小斎 小斎田順寫
11 池田雲樵 雲樵道人寫
12 尾崎雪濤 雪濤
13 久保田米僊 米僊生
14 田能村直入 直入山樵
15 東山人
16 富岡鉄斎 鐵崖仙史
17 王冶梅 庚辰初春背x八大山人筆意於日本摂津 王冶梅
18  
19 庚辰■■■八大山人筆意 聴■■■■
20  
21 水原梅屋 楳屋散人
22 安田畊逸 丹香畫屋? 畊逸
23 行徳玉江 玉江生
24 橋本青江 青江
25 久保田米僊  
26 浜名白塢 白塢并題
27 藤田秋生? 庚辰春日寫 秋生
28  
29 松本酔雲 酔雲 =松本朝實
30 長 棠圃 庚辰春日 棠圃生寫
31 黄一き  光緒庚辰春 黄一き
32 芳川笛村 庚辰春 笛邨
33 巨勢小石 庚辰春以写於貴川■中 小石散人
34 浅井柳塘 白山■畫
35 堀井頑仙 模沈石田 頑仙指頭畫
36 天野方壷 方壺
37 小石石麟  
38 秦金石  金石散人印印
39  
★各揮毫者については、当HP内”索引”他、又当HP内グーグル検索機能で検索下さい。
★国立国会図書館蔵のものとは出版人が違う。内容の比較はまだ出来ていない。

★落款・印の判読は、成澤勝嗣氏(早稲田大学文学学術院 第二文学部 准教授)に、一部ご協力頂きました。
   


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